視線に秘めた情報とは?
ヒトは、目を見つめられるとドキっとして、「この人は自分のことが好きなのかな?」と感じてしまう。「
目は口ほどにものをいう」との諺にもあるとおり、ときに饒舌にその人の感情を伝えるのが瞳だ。
一目惚れを記録するスマートフォンアプリ「ヒトメポ」の情報サイト「Hit me.bo」が、この視線の秘密について紹介している。ヒトの視線には、「
私はあなたの敵ではない」という情報が含まれているというのだ。
東京大学で知覚心理学を研究している佐藤隆夫教授は、人の視線は
言語以上の重要なコミュニケーションツールであるという。視線が発するこの情報は、ヒトだけにしかない特有の機能なのだ。
弱肉強食の世界で生きる動物は、プレデター(肉食動物)とプレイ(被食者)のいずれかに分かれる。白目が目立つと相手に見つかりやすいため、人間以外の霊長類には「白目」がないのだそうだ。
しかし集団生活を営む人間は、他人と力を合わせることが不可欠だ。そのため、より高度なコミュニケーションを図る必要があることから、
敵から身を守るには不利だったとしても、白目がある方が目の動きで仲間との意思疎通がしやすいもの。人間は、より集団行動に有利な方をとって進化してきた(佐藤隆夫教授)
と考えられている。
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photopin cc視線の効果的な使い方とは?
では、自分に向けられた視線を「好意」と捉えてしまうのはどうしてだろうか。実は人間の目は、視野の中心部だけがよく見え、周辺は曖昧にしか見えていないのだそうだ。したがって、
人は『見たいものには目を向ける必要がある』のです。その結果、『視線を送る=相手のことが見たい・興味がある』という気持ちの表れとして伝わるのです(同)
「見る」という行為は、興味があるという気持ちと密接な関係にあるというわけだ。佐藤教授は視線を有効に使って、相手に気持ちを伝える方法として、
じっと見つめるだけでなく、『チラッと見てそらす』というふうに応用もできます。『見たいけど、見られない』という恥ずかしさや照れの気持ちを表現することになりますから、ある種、効果的な好意の伝え方かもしれませんね。
また、nikkei BPnet〈日経BPネット〉のインタビュー記事で、経営コンサルタントとして活躍する臼井由妃氏も、
視線の威力について語っている。
臼井氏は、あまり相手の目を一生懸命に見過ぎても逆効果だという視線は好意を表す合図なのだが、一生懸命に見ると、目に余計な力が入ってしまい、悪印象を与えることがあるそうだ。
効果的なのは、
鼻の上側に焦点を合わせて見ること。こうすれば、やわらかな視線で、顔の表情も優しくなるのだという。
目から発するパワーが、心地よい、相手を包み込むような力が、「目力」なのです(ドクターユキオフィス代表取締役・臼井由妃)
とアドバイスしている。
その一目惚れは両想いかも?のヒトメボがお送りする恋愛コラム
http://www.tokiomonsta.tv/news/article/191-hitomebonikkei BPnet 〈日経BPネット〉
http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20100618/232439