測定距離の増大で実用化へ一歩前進
独立行政法人情報通信研究機構(NICT)はUWB技術を利用して高精度の屋内測位システムを開発した。ショッピングでのサービス向上、物流倉庫での作業効率化と併せて、視覚障がい者の歩行支援への活用が期待される。
(画像はプレスリリースより)
UWBを活用した屋内測位システムは約数10cmの精度で位置測定ができる。一方、測定距離が短くて固定機を多数設置する必要があり、これまで実用化には至っていない。
今回、NICTが2年前に開発した「視覚障がい者歩行支援システム」の3倍以上、30mの測定距離を実現。測定距離の増大で固定機数を減少させた。
スマートフォンやタブレットなどの携帯端末と組み合わせれば、利用者の位置情報に連動した多様なサービスが可能になる。また、携帯用のUWB移動機として小型端末も開発した。
以下の実証実験を行った。
(1) ショッピングモールでの顧客サービスの向上
・顧客位置に連動したショッピング情報の提供やスマートオーダー等に対応
・店員の移動端末により店内どこでもクレジット決済できるサービス
(2) 物流倉庫での作業効率と安全性の向上
・作業員及びフォークリフトの動線の可視化
今後はUWB測位の精度やシステムの利便性・機能の向上を図り、想起の実用化を目指していく。(プレスリリースより)
視覚障がい者の歩行支援への活用
屋内測位システムには位置情報の測位の他に、音声による読み上げと音声入力の機能がある。
視覚障がい者の歩行で障害となる段差、階段の有無、道幅。これらを考慮したルートを算出し、目的地までの距離・方向を音声読み上げと音声入力でナビゲートするなどの活用が考えられる。
今後はUWB測位の精度やシステムの利便性・機能の向上を図り、早期実用化を目指す。UWB測位システムの概要をビデオライブラリで紹介している。
独立行政法人情報通信研究機構プレスリリース
http://www.nict.go.jp/press/2014/05/26-1.htmlビデオライブラリ
http://www.nict.go.jp/video/RandD-of-UWB.html