ありえない数値は電力会社の算数マジック
電力会社が算出した、
原発で重大事故が起きる確率があまりにも非現実的であると、7月4日付の東京新聞が報じた。
電力会社が国などに示す事故の確率は、
100万年から1千万年に1回しか起きないとする、現実離れしたした数値だった。再起動が決定した福井県の大飯原発3、4号機も例外ではなく、関西電力は
770万年に1回の確率と報告している。
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年間保険料のデータから再計算した結果は……
これは電力会社が原発での重大事故に備えてかけている民間損害賠償責任保険(責任保険)の
2011年年間保険料データを、東京新聞が国への
情報公開請求で入手した結果、わかったものだ。
年間保険料は、保険金の支払上限額に事故が起きる確率をかけたものだという。このため、逆に
上限額を年間保険料で割れば、何年に1回の事故確率とみなしているかが分かる。
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民間の保険会社は2100年に1回と算出
東京新聞が入手した資料によると、原発1基あたりの
年間保険料は平均約5千700万円で、
上限額は1200億円だった。このことから、重大事故の発生確率は
1200億円÷5700万円=2105年。すなわち、およそ2100年に1度の確率で事故が起こる考えていることがわかる。
福島原発の事故以前は、
国内に54基の原発があった。2105年を54基で割ると39年。民間の保険会社は、
日本全体では39年に1度の割合で重大事故が起こる可能性があるとみなしているのだ。この数字なら現実的ではないだろうか。
ところが電力会社は、非常用電源や非常用冷却装置などの機器が同時に故障する確率で、事故の発生率を算出している。この算出方法は、
予備機器をからめればからめるるほど、確率が下がる仕掛けになっている。
その結果、1000万年に1回などという有史以前に遡るほど長大な数字がはじきだされた。1000万年に1度の事故確率なら、
年間保険料はたったの1万2000円ですむはずだ。
Twitterでも大注目
東京新聞の記事はTwitterでも注目されており、多数のリツイートでますます情報が広がっている。
Twitterでは
「ちなみにこの50年で起きた原発事故は、ウィキペディアで「原子力事故の一覧」を見てみると、なんと29回!」
「え〜、人類の歴史は・・・」
「どう見ても20年に1回」
「スリーマイル、チェルノブイリ、フクシマの三回の事故から、1万年に1回が現状です」
などなど、自己中心的な算出法にあきれる声が相次いでいる
東京新聞
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